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八角 仁代インタビュー

筋彫りをした桐素材の人形に、布を押し込んで衣装を着せる木目込人形。着物地を使った華やかな衣装と、ふっくらと丸みを帯びたフォルムが江戸の頃より愛され続けてきた。八角仁代さんは、人形をはじめとする木目込作品を、木彫と桐塑の二つの技法から作ることができる希有な存在だ。これも全て、自身が思い描く世界観を表現するために研鑽を積み重ねてきたからこそ。熟練の域に達した今も、木目込作品に魂を吹き込むため、その情熱を燃やし続けている。

――どうして、この世界に入られたのですか。
「私が40歳の時に長男が結婚。孫が生まれたら自分で作った木目込人形をプレゼントしようと思ったのがきっかけです。趣味で作る場合は、あらかじめ作られたボディーに、決められた布を着せていくのですが、私はそうしたことが好きではなくて(笑)自分が表現したいと思った人形に、好きな着物を着せたかったんですね。それで、桐塑を久月人形学院で、木彫に関しては、この道の第一人者でもある芹川先生の教室に入り学ぶことにしました」

――桐塑と木彫の木目込人形には、どのような違いがありますか。
「桐の木粉と餅米の粉を煮て、粘度細工のように捏ねて作るのが桐塑。桐塑人形は、桐の木で作った人台に、この桐塑で肉付けをして作る裸のお人形のことをいいます。それに対して木彫は、桐の木を削り出して作るので桐塑を使いません。同じ木目込でも、台の作り方が全く違うのです」

――どのように世界観を表現していますか。
「例えば、琉球舞踊のお人形を作るのであったら、最低でも4日は現地に滞在します。踊りが生まれた文化的背景も衣装も全部そこで見て、現地の方と一緒に踊って、その素養を吸収して作るのです。インディアンのお人形もそう。アメリカに約1カ月滞在した時の体験をもとに制作しました」


――江戸川区の産学公のプロジェクトに参加され、アリゾナのサボテンを使って美大生とコラボレーションしたと伺いました。
「6年ほど前、友人に誘われてアメリカのアリゾナ州へ行くことになりました。その旅で、サボテンにすっかり魅せられて。作品に使えるんじゃないかと、構想を温め続けてきました。現地でもサボテン細工なんてありませんし、サボテンと木目込人形を組みあわせた作品作りは全くの新しい試みになります。だから、若い子の斬新なアイデアを期待して、美大生と一緒に作ることにしました。ディスカッションを重ね、今後さらに面白い作品に仕上げていきたいと思っています」

――八角さんの作風の特徴は。
「私が師事している芹川先生は歌舞伎がお好きな方で、作風もどちらかというと女形の顔に近いのです。以前はその作風に憧れていたのですが、最近は私の作風も少し変わって来て、子どもに帰るようになりました。なぜなら、一般のお客様が可愛いお人形さんを求めるからなんです。例えどんなにお年を召していても、可愛いお人形が好きなんですね。色合いも落ち着いたものではなくて、華やかな色合いや、昔懐かしい紫を使った作品が喜ばれます。だから、今の時代に合わせて『可愛い』作品を作ることが多くなりました」

――生地はどのように入手していますか。
「明治、大正時代などの着物を、生地素材として専門的に扱っているお店があります。そうした店を自分で歩いて探しています。でも、いざ人形に着せようとすると柄が大きいでしょ? どんなに素敵な柄でも大きな柄を持ってきてしまうとバランスがおかしくなってしまうので、なるべく細かくて華やかな柄行きの生地を探しています。後は、風呂敷。正絹の小風呂敷で探すと、ちょうどいい小紋柄の着物に見えるんです」



――制作にどれくらい時間かかりますか。
「私は人形に着せる着物の柄もかなり吟味しながら作るので、時間がかかる方です。決まりきったものだったら2日位なのですが、江戸川区の伝統工芸展で区長賞をいただいた『なごみ』などは、舞妓さんに会うため何度も京へ足を運びながら数年かけて制作しました。もちろん、合間に色々な人形を作っているという理由もありますが、それだけに集中して作ろうと思ってもいい物はできません。日数をかけて、少しずつ全体のイメージをまとめていくことが大切なのです。特に大変なのが着物の柄合わせ。左右の袖で全く同じ柄にはならないのですが、右と左で同じ柄を出しているように見せなくてはなりません。そういう時は、下の柄を少しおとなしくして、上を華やかにするなど、柄行きのバランスを統一することで、自然に見せることができます」

――次世代へはどのように伝えたいですか。
「地元の小、中学校で授業の一環として毎年教えています。小学校で『鞠』、中学校になったら『瓢箪』を作っています。面白いもので、女の子より男の子の方が夢中になって作るんです。1時間くらいしか時間がないので、あまり凝ったものは作れませんが、それでも、去年はお兄ちゃんが作ったから、と楽しみにしている子がいたりするので今後も続けていきたいですね」

構成:久保田明須香

八角 仁代(はっかく・ひとよ)/

昭和58年 久月人形学院 正教授
平成15年 第20回伝統工芸展 奨励賞受賞
平成19年 第24回伝統工芸展 区議会議長賞受賞
平成21年 アメリカアリゾナ州ツーソンにて個展開催
平成22年 第27回伝統工芸展 巧芸賞受賞
平成24年 第29回伝統工芸展 教育委員会賞受賞

1937年千葉県生まれ。久月人形学院にて、40歳から木目込人形を習いはじめる。人間国宝・平田郷陽の一番弟子の芹川英子先生に学び、木彫の技法を習得。江戸川区伝統工芸展受賞多数。現在、久月人形学院正教授として講師を務める。



アクセサリーホルダー こまどり
アクセサリーホルダー
「こまどり」
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小物入れ スワロースタンド
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「スワロースタンド」
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アクセサリーホルダー 休息
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「休息」
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ピンクッション 華
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「華」
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